望月監督が暫定で指揮を執るようになり試合に使われず、調子が良かっただけに、なかなか納得できなかったけれど、「反骨精神」と、「新しい監督が来たらきっと」という思いから、一生懸命練習には取り組めた。そういう思いが強かったから、チームが勝ったら一緒になって喜べたし、うれしかった。その時期は本当に我慢の連続だったけれど、プロとしてそれは当たり前。今思えば、そういう時期があったことで、選手として成長できたような気がする。
そんな状況で来てくれたミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、僕にとってもチームにとってもいい指揮官だったと思う。ひとことで言えば、今まで出会ったことのない監督だった。具体的に言えば、監督と選手という立場を彼は分けない。チーム全体を一つのファミリーとして見てくれて、それは今までに感じたことがなかったから、運命共同体という感じがした。ファミリーだから、監督に冗談も言える。そんなことは今まであまりなかったし、サッカーだけでなくプライベートのことまで相談してこいって言ってくれた。そんなペトロヴィッチ監督は、ボスというより、本当にお父さんみたいな感じと言えばわかってもらえるかな。
練習は予想どおり、走るメニューが多かったんだけど、ボールを使いながら走らせる練習ばかりだったので個人的にはキツイというより、刺激的で、楽しかった。素走りが嫌いなので。
監督はよく「ボールも人も動くサッカー。チームのために動けるやつがいい選手なんだ」って言っていた。個人スポーツじゃないということも強調した。「誰かがミスしてもチームのミスだし、誰かがゴールを決めてもそれはみんなのゴールだ」というのを、簡単なミーティングで交えてくるので、特に印象に残っている。
個人的に監督とのやりとりで特に覚えていることがある。僕は試合でパスを出すとき、フィフティフィフティの確率ならば、スルーパスを出さず、安全なパス、ようは100%通るであろうパスを選ぶタイプだった。無理に攻めずにチームを落ち着かせるほうを選らんでしまう。でも、多少リスクを犯してでも、攻めにいくパスを出したほうがいいのではないか、って迷っていた時期があった。
最初、コーチのポポヴィッチに「そういうケースの場合、どっちを選択すればいいのか?」って相談しにいった。そしたらコーチから監督に伝わっていたようで、練習後に呼ばれて、「浩司は何を迷っているんだ。何を弱気になっているんだ」と言われた。弱気になっているわけではないって弁解したんだけど、その後に監督から「浩司はこのチームでコックなんだから味付けは自分でしていいんだ。例えフィフティフィフティのパスを出しても、誰も文句は言わない」って言われた。それで目の前が開けた。何でこんなところで悩んでいたんだろうなって。
「ミスを怖れるな」ということを監督は常に言ってくれる。最後は自分の判断なので、判断さえ間違えなければ、リスクを犯したプレーも増やしていければと思う。
監督の考え方、軸がぶれないから、シーズン後半は不安もなくプレーできた。どんな相手でも自分たちのスタイルは変えないし、これを続けていけば勝っていけると思っていた。監督が就任した時期は結果が出ない時期もあったけれど、負けても不安にならなかった。
若手と組んだことも大きかった。刺激にもなったし、若い選手と一緒にやれたことは自分のためになった。チームプレーを考えてプレーすることが身についたから。そのスタイルは来シーズンも変わらないと思う。チームのいい結果が得られなければ、自分の選手としての評価も上がっていかないし、来年もそれを考えながらやっていきたい。
個人的にはもっと前で絡むプレーも必要だし、もっと試合の中で迷う部分をなくしていくことが大事だと思ってる。攻撃に上がるタイミングは間違っていないと思えているので、上がる回数を増やしていきたい。そうすれば、もっと自分自身のゴール数も増やしていけると思う。それには運動量が必要。運動量を増やしてもっともっと戦える選手になりたい。
来シーズンの個人的な目標としては、全試合に出ること。これが目標です。チームとしてはもちろん好成績を残すこと。長くなっちゃったけど、最後まで読んでくれてありがとうございます。来シーズンも応援よろしくお願いします。