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シーズン回顧(後編)

2006年12月29日

 望月監督が暫定で指揮を執るようになり試合に使われず、調子が良かっただけに、なかなか納得できなかったけれど、「反骨精神」と、「新しい監督が来たらきっと」という思いから、一生懸命練習には取り組めた。そういう思いが強かったから、チームが勝ったら一緒になって喜べたし、うれしかった。その時期は本当に我慢の連続だったけれど、プロとしてそれは当たり前。今思えば、そういう時期があったことで、選手として成長できたような気がする。

 そんな状況で来てくれたミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、僕にとってもチームにとってもいい指揮官だったと思う。ひとことで言えば、今まで出会ったことのない監督だった。具体的に言えば、監督と選手という立場を彼は分けない。チーム全体を一つのファミリーとして見てくれて、それは今までに感じたことがなかったから、運命共同体という感じがした。ファミリーだから、監督に冗談も言える。そんなことは今まであまりなかったし、サッカーだけでなくプライベートのことまで相談してこいって言ってくれた。そんなペトロヴィッチ監督は、ボスというより、本当にお父さんみたいな感じと言えばわかってもらえるかな。

 練習は予想どおり、走るメニューが多かったんだけど、ボールを使いながら走らせる練習ばかりだったので個人的にはキツイというより、刺激的で、楽しかった。素走りが嫌いなので。

 監督はよく「ボールも人も動くサッカー。チームのために動けるやつがいい選手なんだ」って言っていた。個人スポーツじゃないということも強調した。「誰かがミスしてもチームのミスだし、誰かがゴールを決めてもそれはみんなのゴールだ」というのを、簡単なミーティングで交えてくるので、特に印象に残っている。

 個人的に監督とのやりとりで特に覚えていることがある。僕は試合でパスを出すとき、フィフティフィフティの確率ならば、スルーパスを出さず、安全なパス、ようは100%通るであろうパスを選ぶタイプだった。無理に攻めずにチームを落ち着かせるほうを選らんでしまう。でも、多少リスクを犯してでも、攻めにいくパスを出したほうがいいのではないか、って迷っていた時期があった。

 最初、コーチのポポヴィッチに「そういうケースの場合、どっちを選択すればいいのか?」って相談しにいった。そしたらコーチから監督に伝わっていたようで、練習後に呼ばれて、「浩司は何を迷っているんだ。何を弱気になっているんだ」と言われた。弱気になっているわけではないって弁解したんだけど、その後に監督から「浩司はこのチームでコックなんだから味付けは自分でしていいんだ。例えフィフティフィフティのパスを出しても、誰も文句は言わない」って言われた。それで目の前が開けた。何でこんなところで悩んでいたんだろうなって。

「ミスを怖れるな」ということを監督は常に言ってくれる。最後は自分の判断なので、判断さえ間違えなければ、リスクを犯したプレーも増やしていければと思う。

 監督の考え方、軸がぶれないから、シーズン後半は不安もなくプレーできた。どんな相手でも自分たちのスタイルは変えないし、これを続けていけば勝っていけると思っていた。監督が就任した時期は結果が出ない時期もあったけれど、負けても不安にならなかった。

 若手と組んだことも大きかった。刺激にもなったし、若い選手と一緒にやれたことは自分のためになった。チームプレーを考えてプレーすることが身についたから。そのスタイルは来シーズンも変わらないと思う。チームのいい結果が得られなければ、自分の選手としての評価も上がっていかないし、来年もそれを考えながらやっていきたい。

 個人的にはもっと前で絡むプレーも必要だし、もっと試合の中で迷う部分をなくしていくことが大事だと思ってる。攻撃に上がるタイミングは間違っていないと思えているので、上がる回数を増やしていきたい。そうすれば、もっと自分自身のゴール数も増やしていけると思う。それには運動量が必要。運動量を増やしてもっともっと戦える選手になりたい。

 来シーズンの個人的な目標としては、全試合に出ること。これが目標です。チームとしてはもちろん好成績を残すこと。長くなっちゃったけど、最後まで読んでくれてありがとうございます。来シーズンも応援よろしくお願いします。

2006シーズン回顧(前編)

2006年12月26日

 天皇杯で敗れて今シーズンのすべての日程が終わった。タイトルを目指して戦っていただけに天皇杯敗退は悔しかった。今思えば、今シーズンは本当にいろいろなことがあった。ちょっと長くなっちゃうかもしれないけど、今シーズンのことを振り返ってみたいと思う。

 今シーズンの開幕前は、「今年は勝負のシーズンになる」と思っていた。というのも、昨シーズンはコンディションを崩してしまったり、調子が上がってきたと思ったらケガをしてしまったりと、満足のいくシーズンを送れなかったから。自分のような立場だったら、みんな同じようになるとは思うけど、昨シーズン満足できていなかっただけに自然とモチベーションは高かった。後がないという気持ちと、もう一度自分のプレーを取り戻す、自分が輝ける場所を見つけてやるという、いろいろな気持ちが交錯して、開幕前の個人的な意気込みは相当高かった。

 それと同時に新シーズンへの不安もあった。2005年はシゲ(茂原岳人)が入ってきて、一緒にやれると思っていたけれど、結果的にポジションを奪われる形になった。今シーズン、シゲは移籍したけれど、戸田(和幸)さんが加入してポジションも近いだけに、ライバルになる、自分をアピールしなければと強く思った。それだけに不安と期待が入り交じっていたシーズン開幕前だった。

 開幕前のキャンプでは昨シーズンとは違うという手応えはつかめていたし、自分の長所やいい部分を思い出せていた。積極的なプレーもできていたし、準備もしっかりできていたように思う。ただ、開幕してからチームの結果がなかなか出ず、自分も試合に出る機会が減っていき、苦しい序盤になってしまった。

 今だから感じるのかもしれないけれど、シーズン当初のチームはまだまだチームとして意見の食い違いや徹底がなされていなかった。新加入選手が慣れるのにも時間がかかっていたのではとも思う。小野(剛)さんがやろうとしていたサッカーは基本的に代わらなかったのかもしれないけれど、なかなか試合で起用してもらえず、チームというよりはまず自分のプレーを見せてアピールしなければという気持ちのほうが強かった。あの頃は、どうしたら試合に出られるか、どうすればアピールできるかということばかり考えていたように思う。

 同時に勝てないことで、監督からの要求も試合を重ねるごとに代わり、それで僕自身も自信を失い、消極的なプレーに陥り、試合で起用されなくなるという悪循環になっていた。

 チームも勝てないために、自分たちのサッカーを貫く姿勢から、リアクションサッカーに変わってしまった。チームも自分も迷いながらサッカーをやっていた。それは試合に限っての話ではなく、練習でもすべてを出し切れていなかったように今思えば感じる。それだけに試合に臨むためのいい準備もできていなかった。チームとしてバラバラだった。チームメイト同士で意見をぶつけ合う場所を作らなければと強く思っていた。今も、よりそういう場を作るようにしていかなければと思うし、これはチームとしての課題だと思う。

 この時期にカズが調子を崩していたけれど、自分も試合に出られていなかっただけに、なんて声をかけていいかわからなかった。昨シーズンは自分が同じような状態になって、そのときはあまり声をかけられたくない気持ちが強かったので、強いて声をかけず、そっとしておくことを選んだ。

 そんな中、小野さんが辞任した。辞任する直前は試合で起用されていたので、望月(一頼)さんになっても起用してもらえるものと思っていた。それが練習ではずっとサブにいる状態で、試合にもなかなか使ってもらえず、そのときの自分の調子が良かっただけに、納得できずに悔しい思いをした。新しい監督が来たら絶対にスタメンをつかむ、という強い気持ちを持って、練習に励んでいた。

(後編に続きます)

元気丸

2006年12月08日

 昨日は「進め!スポーツ元気丸」の吉田安孝さんと対談した。シーズン開幕時期にも対談したんだけど、吉田さんは、シーズン開幕とシーズンの終わりは僕と対談しようと決めてくれていたみたい。指命してくれて、うれしかった。対談の写真を撮ったので見てください。この模様は、17日に放送される予定みたいなので、見られる人はぜひ、見てください。

 明日はガンバ大阪と天皇杯を戦う。ベストメンバーではないけれど、今いるメンバーで全力を尽くして、良い結果が得られるようにがんばりたい。

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最終節での敗戦。

2006年12月05日

 最終節は負けて悔しかった。あまりこういうことは書きたくはないんだけど、審判の判定により試合の流れが変わってしまった。

 前半の早い時間で2枚目のイエローカードが出てしまったことで、その後の試合展開が難しくなってしまった。

 ただ、レフェリーの判断基準が明確でないような気もした。U-21日本代表のアジア大会を見ていてもレフェリーの判定基準に戸惑う場面が見られた。アジアとヨーロッパ、そしてJリーグでもレフェリーの判定が違う。僕たちも当然、世界のレベルに追いついていかなければいけないけれど、Jリーグで笛を吹く、レフェリーも世界レベルに近づく努力をしていく必要があるのではと思った。

 最終節はああいう形で負けてしまい、悔しい思いがした。天皇杯で対戦できるか、それとも来シーズンに持ち越してしまうかもしれないけれど、清水には必ず、借りを返したいと思う。

 リーグ戦が終わり、気持ちを維持しなければいけないここからが難しい。シーズン中は、残留と背中合わせの中、試合を続け、そこを乗り切った後だけに。天皇杯も、元旦までと宣言してしまうと、気負い過ぎてしまうかもしれないから、今までどおり1試合1試合を目標に勝っていきたい。

 まだシーズンが終わったわけではないので、この1年の自分への評価や思いはすべてが終わったら書きたいと思う。

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