初鳴きから・・・

2016年05月25日

アナウンサーが初めてマイクに声を乗せることを「初鳴き」と言います。

私の初鳴きは1991年5月25日。番組宣伝のための番組、いわゆる「番宣番組」でした。

番組名は「テレビ探検隊news」

メインMCは、大学の女子学生。

そこに新人アナウンサーという肩書を引っ提げてゲストとして登場しました。

緊張しすぎでぎこちない掛け合いでしたが、何とかTAKE1で収録は終わりました。
(と記憶しています)

あれから25年たちました。

未だにマイクの前に立つと緊張します。

でも、初鳴きの時とは違った緊張感です。

マイクの前から退くまでこの緊張感は逃れることができない宿命なんだろうと、最近は開き直っています。

アナウンサー生活、25周年にそんな覚悟を改めてしつつ、当時を懐かしく思い出しています。

コリジョンルールについての続き

2016年05月16日

メジャーリーグで5月14日のフィリーズvsレッズ戦でホームタッチアウトでゲームセットという場面がありました。
その動画のリンクは↓です。
http://m.mlb.com/video/topic/11493214/v697692983/must-c-conclusion-goeddel-nabs-suarez-for-final-out
前回のブログで、公認野球規則7.06と書いた文章、今年から条文の番号が変わっていて、現在は、6.01(h)の付記に記されているものですが、このプレーでのキャッチャーは、ギリギリまで走路に入らず、「まさに送球を捕ろうとしている」ときに走路に足を踏み入れました。

このプレーのような形で走路に入ってプレーすることは誰も文句は言わないと思うのです。

新たに追加されたコリジョンルールの適用基準の線引きばかりに目が行くことは、やはり本末転倒という気がしています。

もともとあったオブストラクションのルール。それでも怪我をしてしまうプレーが目に余ったので、コリジョンルールは追加されたのだと思います。

野球のルールブックというのは、事例集だと教わったことがあります。

それまであったルールでは判断が付きかねる事象が起きた後にルールは追記されていきます。

月されたからと言って、もともとあったルールが忘れ去られてはいけないのだと思います。

オブストラクションルールを補うコリジョンルール。

プレーヤー側も元々のオブストラクションのルールを改めて確認してみると、おのずとコリジョンルールのどこまでが危険な行為になるのかがわかると思うのです。

コリジョンルール適用から…

2016年05月12日

5月6日にライオンズの高橋光成投手がコリジョンルール適用を受けてから、またぞろルール適用についての基準が注目されるようになりました。

高橋投手の場合、ホームベースは駆け抜けることが可能なベースのため、ベースの後ろ側にも走路があると考えられています。したがって、送球を待つ間、ベースをまたぐようにしていることはできないので、コリジョンルールの適用はやむを得ないと、私は解釈しました。

きのう、5月11日、タイガースの原口捕手がコリジョンルールの適用を受けました。

公認野球規則の7.06付記に「・・・捕手は、まさに送球を捕ろうとしているか、送球が直接捕手に向かってきており、しかも十分近くにきていて、捕手がこれを受け止めるにふさわしい位置を占めなければならなくなったときか、すでにボールを持っているときだけしか、塁線上に位置することはできない。この規定に違反したとみなされる捕手に対しては、審判員は必ずオブストラクションを宣言しなければならない」
とあります。

これはオブストラクション(妨害)行為に関するもの。

いわゆるコリジョンルールと呼ばれる 6.01(i)の(2)の原注には、
「 捕手が、ボールを持たずに本塁をブロックするか(または実際に送球を守備しようとしていないとき)、および得点しようとしている走者の走塁を邪魔するか、阻害した場合を除いて、捕手は本項に違反したとはみなされない。審判員が、捕手が本塁をブロックしたかどうかに関係なく、走者はアウトを宣告されていたであろうと判断すれば、捕手が走者の走塁を邪魔または阻害したとはみなされない。」
とあります。

十分にアウトのタイミングであれば、適用されないということだと思います。

私はもともと、走路を塞ぐという行為のブロックはけが防止の観点でも厳格に適用されてしかるべしと思っていました。
しかし、明文化された衝突防止ルールに過敏に反応し過ぎては、本末転倒だと思います。


ホーム周辺の映像判定適用に伴って、攻撃側、守備側ともにホーム上のプレーに関しては、「とりあえず確認を要求しよう」となっているかもしれません。

現在の映像判定に関しては、無制限のチャレンジ状態です。

メジャーリーグのチャレンジは、6回までに1度、7回以降は2度の権利であって、無制限にチャレンジをかけることはできません。

映像判定のルールをもっときちんと制限しない限り、審判の行為をがんじがらめにしていくことに他ならないとも感じています。

記録まであと少しでした

2016年04月29日

CSプロ野球ニュースでタイガース対ベイスターズの担当でした。

タイガース先発は岩貞投手。
ベイスターズは今永投手でした。

今永投手はここまで、ルーキーながらローテーションを守っているのですが、援護点に恵まれずにぷ初勝利がなかなかつかめていません。

初回から三者連続三振の立ち上がりで試合の流れをつかもうとしました。

しかし、この試合から四番の筒香選手が登録抹消となっているベイスターズ。

4回にベイスターズが先制しますがわずかに一点。

今永投手の方は、4回までに九つの三振を奪って5回に逆転ホームランを打たれるものの、5回終了時点でプロ初の二けた奪三振となりました。

岩貞投手の方も、5回までに6奪三振。

この段階でふと気になりました。

「一試合の両チーム合計三振数はいくつだろう?」

この試合は、終わってみれば、ベイスターズが11三振。
タイガースは16三振。

つまり両チーム合わせて27三振でした。

果たして記録はというと、

1995年4月21日ロッテ対オリックスで、ロッテが19三振、オリックスが10三振の29三振(この試合は野田浩司投手が1試合の最多奪三振19をマークした試合です)

それともう一つ、2002年9月25日横浜対広島で横浜15三振、広島14三振の合計29三振でした。

スコアブックをつけながら周りのスタッフに気付かれないようにこっそり調べたこの記録。

並んだら周りに教えようと思っていたのですが、叶いませんでした。

やはり記録は調べたり意識すると止まるようです…。

2000本安打

2016年04月27日

広島東洋カープの新井選手が2000本安打をマークしました。

1999年のデビューから18年目。

心からお祝いを言いたいと思います。

若いころから、遮二無二練習に取り組んでいる姿を見てきました。

その一方で、ファンへの対応にも心砕く人でした。

マスコミを通しての対応で、いかにファンへ思いを伝えるべきなのか。

そんなことを聞かれて、一緒に考えたこともありました。

2000本を打つ、打たないは残りの500本をいかに打つかがカギになると聞いたことがあります。

それだけの安打数をマークするということは、年齢を重ねていくことでもあります。

ということは、体力面の低下との戦いが始まるということ。

そこを経験に裏打ちされた「読み」などでカバーしていく必要があるということです。

そのことを新井選手に質問してみると、そういった「読み」という部分は若いころにはなかったけれど、年齢を重ねるにしたがって、できるようになったとのこと。
特に、キャッチャーの雰囲気を感じられるようになったのが大きいと答えてくれました。

顔を向けて対峙する投手だけではなく、後ろにいるキャッチャーが醸し出す雰囲気や傾向を読めるようになったのです。

あるチームスタッフが言っていました。
「新井はスマートに動いているときは実は調子が良くない。本当に調子が良いときは、ドタバタと動いているとき」。

カープに帰ってきた昨年から、そのドタバタした動きは継続されていると感じています。

「優勝したい」

その一念が彼を突き動かしています。

2000本安打達成の満足感を心配する声もあると聞きますが、優勝を味わうことにこだわる限り、彼のドタバタな調子よい動きは途絶えないのだろうと思っています。

体の強さは素材としての持ち味かもしれないけれど、若いころに本人曰く「やらされた」トレーニングを止めなかった心の強さがまだまだ若い動きを可能にしているのだろうと思います。

本人が求めてやまない「優勝」まで、ドタバタとがむしゃらに現役にこだわってさらにプレーしてほしいと切に願います。

改めて、新井選手、2000本安打達成おめでとうございます。

開幕から2週間

2016年04月10日

プロ野球開幕から2週間がたちました。

「コリジョンルール」にかなり過敏になっているのは仕方がないことだろうなぁと思いながらここまで見ています。

ただ、このルールの根本を見失っているのではないでしょうか?

導入の本質は、「選手の無駄な怪我を予防すること」

「選手」であって、「捕手」ではありません。

「タックルの禁止」で、捕手のけがは少なくなるのは確かなことです。

では、「ブロックは?」。

実は、ブロックで怪我をするのは、捕手よりも走者の方が多かったということ。

ブロックをした左足レガースにスライディングをしに行った足が詰まるようになって、足首やひざを痛めるということの方が多かったのです。

キャンプ中から、コリジョンルールの説明に訪れる審判に対して、「どこまでやったらだめなのか?」、「ここまでなら大丈夫なのか?」といった質問が相次ぎました。

でも、「無用な怪我をできる限り避けられるようにしよう」という観点からすれば、「木を見て森を見ず」ではないかと感じています。

もともとルールブックには「まさに捕球しようとするときか、ボールを保持している状況でなければ走路に立ってはならない」というものがあって、それを厳格に適用できるように「ブロック禁止」と、「タックル禁止」が明文化されたものです。

従って、「ここまでなら・・・」と、細かいところだけを考えるのではなく、「お互い無用な怪我がないようによりスリリングな場面でもフェアにスマートにアウトまたはセーフを求めて全力を出し切ろう」と考えてプレーをしていくことは大事なことではないでしょうか?

二度と同じ試合はあり得ませんから、全く同じプレーもないでしょう。

その瞬間瞬間をアンパイアの判定に従うことでスポーツというのは成り立ちます。

場面場面でルールの適用を変えるつもりでアンパイアはプレーを見ているのではありません。

今年のコリジョンルールの明文化で、今まで、アウト・セーフを集中してみていたのに加えて、ランナーの位置と、キャッチャーの位置を見ないといけなくなりました。

これは結構大変な作業量が増えたことになります。

だから、ビデオ判定の適用に加えました。

でも、アンパイアには「映像懸賞は必要ない」と自信を持って、勇気を持って、ジャッジを下してほしいと思います。

映像判定の適用に関しては、抗議を受けてではなく、審判団の判断で行うことになっているのですから・・・。

「ホームクロスプレーは野球の醍醐味の一つ」という人がいます。
私も否定はしません。

でも、それで選手生命を絶たれるような怪我が出てしまったら、その選手の人生は台無しです。

バックホームの送球の正確さ、タッチに行くキャッチャーの技術、スライディングするランナーの技術。

これが絡み合うことが、今までの衝突に代わる醍醐味ということを、選手たちには示してほしいと願っています。

それには、「去年までだったら…」ということをわざわざ思いめぐらさないことも大事でしょうね。

大事なこと

2016年03月28日

プロ野球、開幕カードの3試合が終わりました。

一連のごたごたがあったものの、開幕日の6球場の総観客動員数は198,419人。
2戦目は190,241人で、3戦目は186,635人。

3日間トータルで、575,295人でした。

この数字が示す通り、プロ野球ファンは、開幕を渇望していたのでしょう。

プレーする選手にはこのファンの思いをきちんと受け止めて欲しいと思うのです。

放映権のビジネスなどもあるでしょうが、選手の年俸の原資は、やはりファンの思いの詰まった大切な観戦料のはずです。

選手にとってみれば、長いペナントレースの中では、思い通りの結果が出ない試合も多くあるだろうと思いますが、ファンの思いにこたえる努力を怠ることなく、裏切ることなくシーズンを全うしていってほしいと強く思いました。

そんな野球を伝えることを仕事にしている私としても、改めて、ファンの存在のありがたさを感じた今年の開幕シリーズ。

個人的には、ハンドボールの日本リーグプレーオフの実況があって、プロ野球の実況者としての開幕はまだ迎えていません。
しかし、私自身の開幕を迎えます。

今年のファンの皆さんの思いを大事に感じながらの実況が出来ればと思います。

しのぶ会

2016年03月23日

おととし6月に亡くなったスポーツライターの永谷脩さんをしのぶ会が開かれ、出席してきました。

特段多くの話をさせていただいたというわけではないのですが、フリーになった後、球場で挨拶をさせていただきました。

それからというもの、球場でお会いするたびににこやかな笑顔であいさつを交わしました。

現場主義だった永谷さん。

そんな姿勢を学びたいなと感じていました。

気が付けばプロ野球開幕は目前。

自分自身の取材姿勢を改めて見つめなおすしのぶ会になりました。

生業

2016年03月09日

どういった言葉から書き始めようか、いろいろと考え、迷いました。

開幕を目の前にして発表された賭博関与事件。

「生業」

「なりわい」と読みます。

「生計を立てるための職業」を意味します。

プロ野球という子供のころからの夢をかなえて、「生業」とした選手が、
その職業を自ら冒涜しているような気がします。

落語の「大工調べ」の与太郎は家賃滞納で道具箱を大家に取り上げられてしまいます。
でも、道具箱が無ければ仕事にならないから家賃はますます払えなくなってしまいます。
落語では、最後は三方一両損のような大岡政談のような下げになるのですが、それは噺の世界。

生業に必要なものをなくすことがどれほどのことか。

「50から60万くらい負けたのでやめた」という供述が報道されています。

プロ野球の世界にいる人ですら勝てないのがそう言った世界の掛けでしょう。

私は小さいころから野球が大好きです。
野球を「生業」にする選手のことを尊敬しています。

それだけになんだか重い気持ちになっています。

MLBにおけるコミッショナーは1919年のワールドシリーズでの八百長を巡る疑惑「ブラックソックス事件」を発端に絶対的な権限を持たせて創設されました。

日本の野球界ももっとコミッショナーが球団任せにせず、手を突っ込んでいく必要があるのかもしれないと感じています。

NPBは新人選手に対して、「研修」を行っていますが、一日やそこらの研修ではなく、3年目くらいまで、継続した研修をこんこんと行うことも検討した方が良いかもしれません。
この賭博の問題だけでなく、協約、ルール、メディアトレーニングなどなど。

「野球人である前に社会人であれ」という言葉はよく聞くことですが、その社会人としての素養をしっかりとNPBが身に着けさせる必要があると考えます。

もっと言えば、学生野球は教育であるならば、その素地はプロに入る前から醸成されているべきですが…。

プロ野球選手になるまでに、どこかで何かを我慢してまで努力したはずの人物が、その生業をこんな風に扱うのが残念でなりません。

あまりうまくまとまりませんが、非常にもやもやしています…。

松中選手引退…

2016年03月01日

ホークスを退団した松中信彦さんが現役引退を決断しました。

かつて三冠王に輝いた松中さん。

初めて松中さんのプレーを実況したのは97年か98年だったと思います。

山口県由宇町(現岩国市)の広島東洋カープ由宇練習場でのウエスタンリーグの試合でした。

若いころから遠くに飛ばすホームラン打者のスイングでした。

その後、私がフリーになって、何と言っても忘れられない実況の一つとなったのが、2005年7月15日、ホークスとライオンズの一戦です。

松坂大輔投手から1試合3本のホームラン。

先制、逆転、そしてサヨナラの3本でした。

どの打球もホームラン打者の打球でした。

フリーになったのが2005年。

それまでの局アナウンサー時代の実況スタイルを捨てる決意をして、新たなスタイルがようやく実についてきたころでした。

この試合は斎藤和己投手と松坂大輔投手のエース同士の投げ合いでテンポも良く、試合展開に恵まれた試合でした。

そんな中での3ホームラン。

最後のサヨナラホームランの打席は、チェンジアップ2球連続で1-1となった後でした。

解説の若菜さんが、「どこかでストレートを見せるんでしょうけど」といった直後でした。

私が、「その通りだけど、そのストレートは3球目なのか、4球目なのか…」と頭を整理しようとしたところで松坂投手が投げたストレート。

瞬間的に「そのストレート!」と言葉を発しました。

打った瞬間にホームランを確信した松中選手。

この試合を実況できたことは一生忘れないと思います。

そんな素晴らしい勝負を生み出してくれた松中選手の引退は寂しいものもありますが、心からのねぎらいと、新たな人生に幸多かれと願いたいと思います。

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